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理加せんせいの子育てコラム

おざわ幼稚園副園長の小澤理加です。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。

2016年08月

見えない怖さ

理加せんせい

6月に屋上床の貼り替え工事をしました。50周年にむけて航空写真を撮影した時期と重なったため、できあがった写真にも屋上に置いた機材が写っています。
すでに工事は終了し、ぴかぴかの屋上に生まれ変わりました。
屋上は、昼食を食べに行ったり景色を見たりするくらいで、園児はあまり行かない場所ですが、この工事に対するこども達の反応が面白かったのです。
広場奥の芝生に大きいクレーン車が入ってくると、男児は柵に鈴なりになって目をきらきらさせて見ていますが、女児は近くで遊んでいても、「我関せず」でいつものままごと遊びを楽しんでいます。子ども達の興味関心は、個々でこんなにも違うものなのですね。
 ある朝、年中児がべそをかきながら、先生にだっこされてきました。
「お願いがあるんだよね。」
何かな?
「…工事の音、小さくしてください…。」
ははあん、なるほど、そうだろうな…。
工事をする際に、活動中は、音の出る作業を極力控えてもらっていましたが、その日は朝のうちだけ、年中組保育室の真上でコンクリートを砕く作業をしていたのです。びっくりして怖くなるのも当然ですね。
許可をいただき、その子を連れて屋上の様子を見に行きました。屋上入口から、作業中のお兄さん達が小さく点々と見えました。
「ほら、あそこの遠くにいるお兄さんが、○君のお部屋の上で工事をしてくれていたんだね。見えた?」
工事の方も、気付いてこちらを見てくれました。しばらく見ていて納得し落ち着いたので、保育室まで戻って、もう一度工事の音を確認しました。
「ほら、この音が屋上にいたお兄さんのお仕事の音だね。」
うんと頷いた園児の顔は、もう先ほどとは違います。大丈夫だと分かると、安心して園庭へ笑顔で遊びに行きました。
 子ども達は、想像が膨らみ、時には大人が思う以上に恐ろしく感じることがあるようです。
避難訓練の非常ベルの音もその一つです。大人でもドキッとする音ですが、これは大切な音。訓練の度に流しています。緊張感を持ちながらこの音に慣れ、この音がしたらいつでもどこにいてもすぐ避難するということを覚えてほしいと思っています。子ども達は、繰り返し練習していると、「ピンポンパンポーン」と放送のチャイムが聞こえるだけで、どこにいても動きがピタッと止まり、聞き耳を立てるようになります。見事なものです。
園庭で遊んでいても、「先生、給食注文だって。」と教えてくれるほど、放送をしっかり聞くようになります。
音だけではなく、活動についても同じです。
お泊まり会を前に、今年も「おとまりしない…」と言うつぶやきが聞こえてきました。
それは、お母さんのいない夜の幼稚園を想像しただけでも、不安がよぎるから出てくる言葉です。そこで、事前に、どんなことをするのか活動の流れを紙芝居のように説明したり、キャンプファイヤーの歌や踊りを練習したりして、活動の見通しが持てるようにしています。
心配していらっしゃる保護者のみなさん、ご安心くださいね。きっとお泊まり会が終わり、迎えに行った朝に、「もう一回幼稚園に泊まる!」の笑顔に出迎えられることでしょう。
何を隠そう、我が子もそうでしたから(笑)。