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理加せんせいの子育てコラム

おざわ幼稚園副園長の小澤理加です。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。

2016年07月

むしあみ ください!

理加せんせい

「むしあみ、ください!」
今日も職員室に虫とり網を借りに来る子ども達の声が聞こえてきます。本当に虫が好きですね。でも…反対に虫の苦手な子にとっては、大騒ぎになる場合もあります。
 砂場で遊んでいると、「先生、クモ!!」
飛び跳ねるように後ずさりする子、触りたくないけれど興味津々で近づく子と、園児の様子も様々です。騒ぎの中心には小さなクモが歩いていました。
「どれどれ、ほら、先生の手に登ってきたよ。あ、何か出てるね。」
手のひらから逃げようとして、クモが糸を出して風に吹かれました。
子ども達も落ち着きを取り戻し、見守る子の数も増えてきました。しばらく見た後、飛び退いたその子が砂場のおもちゃに入れて、クモを地面に逃がすことができました。
階段にコガネムシが飛んでいた、蛾が壁にとまっている、靴箱に小さい虫がいた、体操着にテントウムシがとまった…。そんな一つ一つが大ニュースです。
雨が降っていた日、年少児がにこにこ顔で登園してきました。手に持っていたのは5ミリ程の小さなナメクジでした。ティッシュに葉っぱを入れ、そこに乗せてきたのです。
「わあ、ナメクジ。小さいの見つけたんだ。先生にも見せてあげようね。」(カタツムリじゃないんだ…)少し複雑な気持ちになりましたが、うんと頷くその顔は得意気です。
クラスへ様子を見に行くと、
「嬉しくて、『なめちゃん』って名前まで付けたんですよ。」
と、担任の先生が教えてくれました。
「年長組みたいに、ケースに入れようか。」
と、観察ケースに入れると、その子はさらに生き生きとした表情になりました。
背中に殻を背負っていてもいなくても、子どもにとっては同じように大切な生き物なのですね。
 さらに、翌日ヤスデとたくさんのアリをつかまえ、観察ケースに入れた虫を囲んでみんなで机の下にもぐって見ていたそうです。もちろんにこにこ顔で…。
その日、年少組初めての水遊びがありましたが、内科検診の時には激しく抵抗していた裸ん坊にも自らなって、楽しく遊ぶことができました。翌々日は、さらにたくさんのダンゴムシを捕まえ、得意気に見せてくれました。すごいですね、虫たち、本当にありがとう!
 このように様々なことをきっかけとして、子ども達は成長していきます。大人の対応には、工夫が必要ですね。せっかくの興味や意欲がしぼんでしまうかもしれませんから…。
このお母さんも、すぐに「きたない」「捨てなさい!」などと言わずに、その子の気持ちに寄り添い、幼稚園までつきあってくださいました。素敵なお母さんですね。
園児は大人の反応を見ながら「これはダメなのか、大丈夫なのか」を判断しているようです。「ささないから大丈夫。」「みんなのところに遊びに来たんだね。」「体操着をお花とまちがえたのかな。」「そーっとしておいてあげると飛んでいくから見ていてね。」
園生活の中でそんな声掛けを心がけています。もちろん害虫もいるため、注意も必要ですが。
 でも、虫が苦手な先生達は…どんなふうに対応しているのでしょうか。
そんな時はクラスの「虫博士」達が大活躍! クラスには誰かしら虫好きな子がいるものです。
「何の虫かな? ○君に聞けば分かるよ!」「△君に教えてもらおう!」
と、虫に興味を持つ子も徐々に増え、そのことで話も広がり、友達同士のかかわり方も変化していきます。虫をつかめたことで思いがけない子がヒーローになったりして、とても楽しいものです。
園長先生が育てているカブトムシ達も大活躍。幼虫を分けてもらってクラスで飼い始めたのを見て、「ぼくたちも!」とお願いしたら、すでにサナギの状態に変化していたりして、子ども達も一喜一憂しながら様々な経験を重ねています。
 虫の苦手なお母さんも、少しがんばって工夫して会話してみてくださいね。
「へえ、すごい顔してるね。」「触れるようになったんだね。すごーい!」
でいいのです。無理して飼おうとしなくても「お家に帰してあげようね。」と外へ逃がしてあげればいいのです。梅雨から夏の季節はよい機会です。様々な自然物を見たり触れたりしながら、身の周りの自然に興味関心を持つことができるようかかわっていきましょう。