おざわ幼稚園副園長の小澤理加です。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2023年05月
「自分で○○」
年長組保育室で、あさがおを植える準備が始まった5月初めの頃。
これから育てる植木鉢一つ一つに土の袋が入っていて、部屋の隅に並べられていました。
子ども達は、この様子に興味を示しているかな?
どんな答えが返ってくるかな?
そんな気持ちから、聞いてみました。
「何を植えるの?」
「…たんぽぽ?」と言う子、「…あさがお?」と首をかしげる子。
みんな、なんだかあいまいです。
「いいね。年長さんだけのお楽しみだね。何色の花が咲くと思う?」
「きいろ」「あか」
「むらさき」(このあたりから、昨年園庭で咲いていたあさがおの様子を思い出し始めた模様)
「うすむらさき」
友達の言葉に耳を傾けていた男児が、ニコッと笑って元気に言いました。
「にじいろ!!」
そんな花が咲くといいですね。何色の花が咲くかは、これからのみんなのお楽しみです。
園庭では、あさがおの葉がぐんぐん伸びてきています。
「○ちゃんのあさがおは、どこかな? お母さんにも見せて。」
と、土曜参観などの来園の機会にぜひ興味を持ってご覧ください。
とても貴重な体験ですね。一緒に、大きくならないことを心配したり、つるの巻き具合に驚いたりしながら、初めての「自分のあさがお」に、共感してあげてくださいね。
私達大人が思うよりも敏感に、繊細に、子ども達は葉の伸び具合、花の付き具合に一喜一憂。子ども達の思いが、何倍にもなることでしょう。
園隣の畑での収穫体験も、子ども達にとってはとても大切な出来事です。
進級前の3月。1個の種芋を半分に切って年中・年少組が植え付けをしました。
いもの切り口から出る汁(でんぷん)がべたつき、若干嫌悪感を抱きながら体操着に手をこすりつけている子もいましたが、
「おおきくなあれ!」と念じて土をかぶせた種芋。
そこから、ぐんぐん生長する様子を畑でじかに観察しながら迎えるいも掘りは、どこかへ出かけて収穫するいも掘りとは、思いが違うと思うのです。
今年は、どれだけの新じゃがが収穫できるのでしょうね。楽しみです。
「自分で植えた」
「自分で水やりをし、支柱を立てて世話をした」
そんな「自分で」が一つ加わると、全く違った世界が見えてくるのです。
ご家庭でも、子ども達ができる「自分で」を見つけてみてください。
花や虫、飼っている動物だけではありません。命あるものではなくても、「自分で手塩にかける」何かがきっとあると思うのです。探してみてくださいね。