2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2024年5月
ごほうび
新年度、ようやく一日保育が始まった週末に、おろしたての図鑑を持って年長組3クラスで畑に行きました。
先生の帽子が道路に飛んでいってしまうほどの強風でしたが、暑いくらいの日差しの中、子ども達は、笑顔で元気に走り回っていました。
「先生、みて! わたしのくつ、おしゃれになったの。」
うふふと笑う女の子の靴のかかとには、「からすのえんどう」のつるが挟まっています。
規則正しく並んだ葉の間からは、小さなピンクの花がのぞいていて、うふふ、ほんとにおしゃれです。
アブラナ(菜の花)の種をひたすらむいて、出てきた小さなつぶつぶは「枝豆みたい」と発見。
「てんとうむしみつけた!!」「ほらそこにかくれたよ。」「何てんとうだった?」
虫の話題で盛り上がる男の子達。
ちょうちょも飛んできて、何の蝶か図鑑で探している間に、どこかにいってしまいましたが、それは、きれいな模様のアゲハチョウでした。
年中組だった3月に、畑に自分達で植えたじゃがいもの種芋は、もう10cmくらい濃い緑の葉を伸ばしています。
みんなの背と同じくらいの柿の木は、園児が食べた柿の種を家庭で植えたもので、8年は経っているそうで、昨年いただいて畑に植えた苗です。
子ども達に伝えると、みんなびっくり!
「かきのたね?」「たねから?」と、不思議そうでした。
「これは、『ごほうび』でもあるんです。」
と、優しい顔で担任の先生。
進級してから今まで、本当に頑張っていた年長組です。
朝から年少組のお世話をしたり、あちこちパトロールしては、置き去りにされたおもちゃを探しては片付けてくれたり…の大活躍。昨年度の年長組の様子をしっかり見ていた子ども達は、思いやりのある優しい心をちゃんと受け継いでくれました。
ありがとう、みんな!
先生達からも、みんなにごぼうびをあげたい気分なのです。
ゆったり過ごしたこの時間は、何ものにもかえがたい、楽しくて大切な時間となりました。
皆さん、こんなごほうび、いかがですか。
ご家庭で頑張った時に、ごほうびをあげたいなと思うことがあったら、物ではなくお子さんの好きなこと、喜ぶことをごほうびにしてみてくださいね。
そして、何より大切なことは、
「○○がんばったね。」「○○してくれて、ありがとう」
と、具体的にお家の方の気持ちを伝えることです。
もう一つ忘れてならないこと。それは、「ご自分(保護者)」へのごほうびです。
毎日、子育て頑張っているのですから!!!!!!!