2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2024年3月
伝える力
幼稚園の3大行事の最後を飾った作品展もようやく本来の形に戻り、皆様にご覧いただくことができました。たくさんのご協力に感謝申し上げます。
~平面(設計図)から、立体(作品)へ~
細かい部分もよく見て再現しようとしている姿に、観察力の育ちを感じました。
特に年長組は、「自分達の幼稚園をつくる」ということで、何度も園庭の様子をベランダから確認している子ども達がいました。忠実な形で再現したい思いがとても強く、「モグラのおうち」が△(三角形)と□(四角形)でできていることを発見!
知っていましたか?
私は、蜂の巣のようになっているのかとざっくり思っていましたが、違うんですね。子ども達に教えられました。
「ドッジボール」をつくったクラスもありました。どうやって表現するんだろう…。
つくっている時には、一面が灰色の四角形のコート内に、ひたすらトントンとクレヨンで砂粒をかいている子やボールを再現している子がいましたが、できあがってみると、なんとそこにはたくさんの子ども達が立って対戦しているではありませんか。どの子も違った動きをしていて、大きさも様々で躍動感がありました。しっかり立体になっていましたね。
ドッジボールが楽しかったことが、生き生きと伝わってきました。
にじいろハウスも、丸太のつながり方、ロープの位置など、よく見ているんだなと感心するばかりでしたね。遊びたくなってしまう子が続出したのも頷けます。
また、年中組は、自分達のつくった物への愛着が強かったと感じました。作品を紹介することが楽しくて、保育室に行くと丁寧にひとつずつ説明してくれました。
「ありがとう!よくわかった。楽しかった。素敵な森ができたね。」
と、部屋を出た私を、数名がさらに走ってきて呼び止めます。
「ひとつ忘れてた!!」
ダンボールでつくった大きな「お菓子の家」の陰に隠れて見えなかったカタツムリ達を説明していなかったことに気づいたのです。もう一度部屋に戻ってニコニコ笑顔で説明してくれました。そうですよね。どれも忘れちゃいけない、ひとつひとつ頑張ってつくった大切な作品ですから。
そして、年少組もがんばっていましたね。たくさんの個性豊かな作品が溢れていました。
「作品で伝える」
「説明して伝える」
伝え方もひとつではないのですね。他にも、「体で表現して伝える」なども、運動会やお遊戯会を通して経験してきました。目をキラキラさせて伝えてくれる子ども達。
子ども達の表現する力・伝える力は、入園進級当時からこの一年で、格段に成長しました。
保護者の皆様は、子ども達からどのような成長を感じていらっしゃるでしょうか。
一人一人伸びた部分は違います。
けれども、園生活で経験してきたことは、確実に子ども達の力となっています。