2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2024年2月
興味が広がる時
雨の日、広場は「プチ図書室」になります。様々な種類の絵本や図鑑などを円形の机に出して、自由に読む空間にするのです。
「先生、この本「うんちの本」だよ!」(題名「世界中がうんちだらけにならないわけ」)
「あ、これ、うちにもあるよ。」
周りにいた子ども達も興味を示し、絵本を取り囲んでぎゅうぎゅう詰めになりながら、しばらく「うんち」で盛り上がりました。なるほど、「うんち」も地球の生き物達の役にたっているんですね。私も勉強になりました。
次は、車の本です。
「これは、ロードローラーだよ!」「あれ、これは何? さっきのと違うのが付いてる。」
詳しい年少児も夢中になっています。
中には、「車は嫌い。電車の本がいい…。」と言う子もいましたが、一通り読み終えるまで一緒に眺めていました。読み終えてから、一緒に保育室の電車の本を探しに行きました。
これができるのが幼稚園ですね。
自分の興味を持ったものだけではなく、周りの友達が読んでいるもの、していることにも関心を持ち、新たな世界が広がっていくのです。
3学期、クラスごとに取り組んでいる作品展に向けての活動も同様です。
この時期、保育室に行くと、「先生みてみて」「こっちきて!」と言われることがよくあります。
「これはね、大きい紙粘土に色を混ぜてつくったんだよ。」
(保育室には、茶色いゾウ・ピンクのうさぎ・水色の……様々な動物が並んでいました。)
「先生、ダンボールでつくってるんだ。木だよ。こっちは車。」
(友達と頑張ってつくった頑丈な木が1本、車には丸いスペアタイヤ(?)もありました!!)
満足そうな笑顔です。
自分だけでは思いつかなかったことも、みんなのアイデアが集まれば様々なことができるようになるのです。次の遊びや活動にもつながっていく新しいアイデアです。
「そうか、こうすれば、つなげることができるんだ。」
「ここにタイヤを付けるの、おもしろいなあ。」
友達の考えやしていることに触れる時、子ども達の頭の中のコンピューターが活発に動き出し、大きく成長していくことができるのです。今年の作品展、楽しみですね。
そこで、ひとつお願いです。
作品について園児と話す時、たくさんたくさん誉めて認めて、一緒に楽しんでくださいね。
箱根駅伝特番で応援の声についての話がありました。みんなの熱意、すごいですね。
あまりの声援に、耳のそばでスピーカーが大音量で鳴り続けているような感じがするとのこと。
ただ、印象的だったのが、そんな大きな音の塊の中でも「親の声だけは分かる、届く」だそうです。誰よりお父さんお母さん、ご家族の言葉が子ども達の耳に届くとすれば、話しがい、励ましがいもあるというものです。思い通りにいかなかった時は、尚更胸に響くことでしょう。
園児が、「ここ、失敗しちゃった…」「できなかった」と、言ったら「でも、○○はいいねー。」「ここは、おもしろいと思う。お父さんは(お母さんは)好きだな。」
と、視点を変えてあげてください。