おざわ幼稚園副園長の小澤理加です。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2024年11月
遊びこむ
「さようなら、また明日!」
降園時、門の所に立っていると、キンモクセイのいい香りが漂ってきました。
ちょうど新年度の入園願書配付の時期に、オレンジの小さな花が咲くキンモクセイ。園児達も、園庭で拾い集めてはままごとの材料にしています。
園庭信号側ブランコの近くと園長自宅の池の角にあるので、その付近を通る時に気付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ああ、いい匂い」という嬉しい気持ちと、「またこの時期がやってきたんだなあ。」と時間の流れの早さを感じて焦る気持ちが同時にやってきます。
入園・進級して早くも半年経ち、さあ、後半に突入です。
子ども達の成長は至る所で目にしますが、ある日
「先生!あなぐらがやばい、やばい。先生来て!!」
楽しそうに笑いながら、年長児が言うのです。
やばいのに、楽しそう…??
「小さいところから入っていいよ。先生も。」
ホール後ろの秘密の部屋「あなぐら」の入口は大小
2つ。
小さい入口は、アリスの国に出てきそうな
子どもサイズです。
「ありがとう。」
お礼だけ言って大きい入口から入ってみると…
なんと、写真のように、たくさんのブロックが天井からぶら下がっているではありませんか!
まるで芸術作品のようです。
あなぐらは、磁石が付くように3方の壁に鉄板が入っており、磁石でできていているブロックが付くようになっています。ペタンと付けて遊ぶことは想像できましたが、磁石のブロック同士がくっつかない程度の距離を保ちつつ、こんなにたくさん、しかも同じ向きにブロックの一辺だけ付けてぶら下げるなんて!脱帽です。
子どもの想像力は、たいしたものですね。遊び方を考え出す力と長時間ブロックを付け続ける集中力が必要です。「遊び込む」のお手本だと感心しました。
あなぐらは、密になるためコロナ感染症対策期間は使用できない場所でした。そのため、年長児にとっては新鮮な「秘密基地」とも言えます。その場所で、自分達が考えたその遊びを展開した年長児は、さぞかし楽しく達成感に満ちていたことでしょう。
子どもの成長には様々な要因がありますが、このように集中して遊び込む経験をどの子にもさせてあげたいと願っています。
どんなことでもいいのです。何かに夢中になって取り組んでいる様子があったら、時間の許す限り続けさせてあげてください。
わかりやすいのは、廃品遊びです。最初は、箱や棒やカップにテープをひたすらつけているだけの遊びが、丸い物(曲面)と四角い物(平面)を付けることに挑戦し始め、そのうちに何かの形に見立てるようになり、徐々に大きい作品になっていきます。子ども達が大きい作品を詰め込んで降園する様子を見るにつけ、その成長が嬉しくなります。就学したら、きっと図画工作が大好きになることでしょう。今日も子ども達は、生き生きと様々な遊びを繰り広げています。 副園長 小澤 理加